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スペインから帰国の柴崎岳、独占告白。
「新しいシーズンもスペインで……」 

text by

豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

PROFILE

photograph byTadashi Shirasawa

posted2017/07/07 18:20

スペインから帰国の柴崎岳、独占告白。「新しいシーズンもスペインで……」<Number Web> photograph by Tadashi Shirasawa

「自分が主導権を持っていると見せるため……」

 テネリフェでの柴崎のプレーを見ていると、テンポよくつなぐパサーという印象よりも、より総合的なミッドフィルダーとしての色が濃くなっているように思う。ドリブルで中盤を駆け上がるようなシーンもあった。より積極的なプレーも目につく。

 その裏には、スペインに到着後、彼が心に決めていたことがあった。

「3タッチ以上でプレーする、ということです。ちょっと自分で持って、わざと(相手に)当たったりキープしたりというのをやろうと。1タッチ、2タッチでのプレーはもともとできるし、小気味よく見えるけど、逆にプレーが淡白に見える部分も出てくるんです。見え方として、自分がボールを持ってる、という印象を与えたかった。自分が主導権を持っているところを見せるために、3タッチや4タッチ、またはドリブルの割合を増やそうと。無理やりドリブルでこじ開けていったりというプレーも出てきたし、徐々に変化は出てきたと思います」

元ボランチの監督とは、戦術も価値観も共感できた。

 決して慌てることなく、クールに淡々とプレーする――。

 柴崎には昔からそんなイメージがある。視野の広さと冷静さ、確かな技術が必然的にそうさせた。彼のスタイルはすでに出来あがっていた。

 しかし彼はそこにあえて変化を加え、ボールタッチを増やし、時にはドリブルで駆け上がった。

 テネリフェのマルティ監督はそんな彼をチームの中心に置いた。

 トップ下、左サイド、ボランチ。

「柴崎はゲームに落ち着きを与えられる」と繰り返した。この半年間、会見やインタビューでその言葉を何度耳にしたことだろう。

 指揮官は絶大な信頼を置き、柴崎はそれに応えた。スペイン1年目にして感覚の近い監督に巡り会えたのは、柴崎にとっては幸運だったのかもしれない。

「もともとマルティ監督もボランチだったし、最近まで現役だったから、近い距離感で話してくれたから楽でしたね。話していることも自分の価値観に近い部分がありましたし。

 僕が入る前も、彼がやりたいサッカーはあったんだけど、そのスタイルにはまる選手が少なかった。だから自分が入ることで、そこに近づけようと、落ち着きをゲームに与えようとしました。

 ただ、サッカーは速攻も遅攻もできた方が理想的じゃないですか。状況に合わせていくことが大事で、シーズン終盤は、やっているサッカーに幅ができたと思う。監督の言っていることは結構好きでしたよ。もちろん、人としても」

【次ページ】 「なるべくスペイン語で話すようにしています」

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