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欧州で最もゴールを決める日本人。
ハーフナーの独善的FW論が面白い。

posted2017/06/29 11:25

 
欧州で最もゴールを決める日本人。ハーフナーの独善的FW論が面白い。<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

194cmという身長からポストプレーをイメージされるが、ハーフナー・マイクの本質はゴリゴリの点取り屋なのだ。

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

PROFILE

photograph by

Yuki Suenaga

 ゴールを奪う。

 その一点を指標に置くならば、オランダの4シーズン半で51点を稼いでいるハーフナー・マイクは欧州でプレーする日本人選手のなかで最も結果を残してきた。毎年2ケタ以上はゴールネットを揺らしてきた計算だ。4大リーグではないとはいえ、欧州主要1部リーグでの50点到達は日本人プレーヤーで初めて。誇っていい数字である。

 ADOデンハーグのエースとして今季は開幕から4戦3発と好スタートを切りながら、残留争いに巻き込まれたチームとともに一時、調子を落とした。ウイルス性感染症を患い、離脱もあった。だが今年2月の監督交代を機にチームも、ハーフナー自身も浮上。終盤戦の2カ月で6ゴールと固め打ちしてチームを残留に導いている。

インタビューのテーマは、ゴールのコツ。

 6月、オフに入った彼と久しぶりに会った。

 以前よりも大きくなったような印象を受けた。「相手を力でねじ伏せたいから」と意識して体重を2kgほど増やしたという。だが見た目の大きさからくる、それではなかった。

 一つひとつの言葉からにじみ出る自信と矜持、そして割り切り。

 己が目指すべきストライカー像の確立が、彼のスケール感を広げていた。

「俺は1人で打開できる選手じゃありませんから。周りの助けがあって、いろいろとやってもらったうえでおいしいところを持っていかせてもらう。でもボールが来るところに、ちゃんと自分がいるかどうか。そこに点を取れるか取れないかが、自分としてはあると思うんです」

 ゴールのコツ。

 インタビューのテーマを伝えると、彼は視線をこちらに向けて言った。

 ボールが来るところにちゃんといる。そこにもうひとつ言葉を付け加えるならば、「相手を外して」なり「相手より先に」だろうか。

【次ページ】 「自分の場合、相手の視線を見るんですよ」

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ハーフナー・マイク

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