スポーツ・インテリジェンス原論BACK NUMBER

ラグビーの代表戦が軽くなっている?
監督が衝撃を受けた、悪しき「慣れ」。 

text by

生島淳

生島淳Jun Ikushima

PROFILE

photograph byTakuya Sugiyama

posted2017/06/26 13:40

ラグビーの代表戦が軽くなっている?監督が衝撃を受けた、悪しき「慣れ」。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

36歳トンプソンルークの存在感は際立っていた。ギアを入れる能力というのはW杯の経験か、個人の資質か……。

トンプソンルークの勇敢さは特別だった。

 忘れてならないのは、緊急招集のトンプソンルークが激しさを勇敢に示したことだ。試合に向け、トンプソンは自分の役割をこう話していた。

「自分の仕事をやるだけね。セットプレー、ディフェンス、フィジカル、努力」

 努力。

 彼の努力が伝わってくる80分間だった。

 いまのジャパンには、まだあなたの力が必要だ。もう少しの間、力を貸してくれまいか――。

 そう思ってしまうほど、トンプソンのプレーぶりには惚れ惚れしてしまった。

 さて、11月のテストマッチ期間、誰が激しさを見せてくれるだろうか。

 自国開催のワールドカップまで、あと2年とちょっと。不安を乗せたまま、バスは走り続けている。

BACK 1 2 3
田中史朗
トンプソン ルーク
ラグビーワールドカップ

ラグビーの前後の記事

ページトップ