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サンフレッチェが苦しむ「0-1」。
実は難しい、点取り屋不在の解決。 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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posted2017/06/23 07:00

サンフレッチェが苦しむ「0-1」。実は難しい、点取り屋不在の解決。<Number Web> photograph by SANFRECCE

第15節終了時点のチーム内得点王は工藤とロペス(3得点)である。ここにパトリックが加わる可能性が高まっているが、果たして……。

“ストライカー問題”を解消しない限り……。

 工藤壮人を獲得し、当初はエース候補だったが戦術的にフィットせず、現状はベンチに控える。アンデルソン・ロペスはスピードはあるがストライカータイプではない。皆川佑介は12節の甲府戦からスタメンでプレーしているが、川崎戦では前でボールを収めきれず、シュート1本のみに終わった。また今シーズンはまだ無得点でストライカーとしての役割を果たしているとは言い難い状況だ。宮吉拓実ら中堅も今のところまだ覚醒していない。

 FWがなかなか点を取れないので、中盤にも影響が出ている。“自分が決めないと”という意識が強すぎて力んでしまい、やや空回りしている感が否めないのだ。

 守備ベースのチームだとしても、やはり点が奪えて軸となれるストライカーが存在するか否かは、極めて大きい。本来ならばカンフル剤かつ即戦力となる選手を獲得すべきで、実際G大阪に所属するパトリックの緊急補強が報じられているが、やはり“ストライカー問題”を解消しない限り、浮上するのは難しいだろう。

「この17位という数字が今の僕たちの実力」

「この17位という数字が今の僕たちの実力。3分の1以上終わった段階でこの順位なので僕たちの目標は残留しかない。ただ、僕が京都時代にJ2降格を経験した時の雰囲気と今の広島では全然違う。みんな、『これでいいのか』という疑心暗鬼な気持ちがなく、今のサッカーをやり続けないと僕たちは勝てないと思っている。監督のサッカーに少しの揺らぎもないんです。だからって楽観視はできないけど、バラバラになることはないです」(水本)

 選手が悪くないと思い、継続していくスタイルがあることは、時としてリスクと背中合わせになることもある。大きな変化をもたらさないことで、気が付けば処置できないほど重篤な状況に陥る可能性があるのだ。

 ただ、水本の言う「団結力」が広島のベースでもある。

【次ページ】 「大宮戦、絶対に勝って、はい上がっていきたい」

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