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<“ダブル”を奪うために>
鹿島キラー・中島翔哉の試行錯誤。

posted2017/06/23 11:00

 
<“ダブル”を奪うために>鹿島キラー・中島翔哉の試行錯誤。<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

text by

松本宣昭

松本宣昭Yoshiaki Matsumoto

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Shigeki Yamamoto

 11勝9分け22敗。勝率にして、約3割。

 これは、ルヴァンカップ(旧・ヤマザキナビスコカップ)と天皇杯を含めた、FC東京の鹿島アントラーズに対する通算対戦成績だ。ところが、彼が出場した場合に限ると、こうなる。

 2勝2分け1敗。

 5度の対戦で、敗れたのは'15年のヤマザキナビスコカップ準々決勝第2戦(●0-3)のみ。“鹿島キラー”中島翔哉本人は、過去の印象をこう語る。

「鹿島は毎年のように優勝争いをして、強いチームという印象はあります。でも、個人的にはJリーグの場合、各チームにそれほど大きな力の差はないと感じていますし、自分たちがしっかりとプレーすれば、鹿島にも勝てると思っています」

3年前、周囲に力を認めさせたのも鹿島戦だった。

 振り返れば、彼のJ1デビュー戦の相手も鹿島だった。2014年8月30日、リーグ第22節。1-2のビハインドで迎えた78分、カシマスタジアムのピッチに送り出された。9分後、J2のカターレ富山からやって来たばかりの20歳は、いきなり結果を出した。

「鹿島は奪ってから前に来るのが速かったり、相手の裏を突くのが上手いので、簡単にボールを取られてはいけない。その一方で、サイドバックがけっこう高い位置を取るので、僕らは背後を狙うことが多いですね」

 その言葉どおり、鹿島の左サイドバック・山本脩斗の背後に走り込み、徳永悠平からの縦パスを引き出すと、右足のヒールでゴール前の渡邉千真(現・神戸)にワンタッチパス。混戦となったこぼれ球を武藤嘉紀(現・マインツ)が押し込んで、貴重な同点ゴールが生まれた。

「あれが直接アシストになれば、もっと良かったんですけどね。ただ、あのプレーによってチームメイトやサポーターのみなさんが認めてくれたと思うので、それは自分にとって大きかった」

【次ページ】 ゴールが見えたら、迷いなく打つ。

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