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日本バドミントン強化の立役者。
朴柱奉コーチ「東京でも金メダル」 

text by

矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

PROFILE

photograph byTadashi Shirasawa

posted2017/06/19 08:00

日本バドミントン強化の立役者。朴柱奉コーチ「東京でも金メダル」<Number Web> photograph by Tadashi Shirasawa

日本に渡ってから数多くの選手の才能を開花させてきた朴コーチ。東京五輪の舞台でも、その力は必要だ。

「今度はリオ五輪以上の練習メニューを準備しますよ」

 日本選手全体の強化についても、基本的な強化ポイントはタカマツと同じだ。

「日本勢がさらに向上できる部分はコートでの動きです。フットワークを鍛えて、前後左右に動くスピードをもう少し上げたいと考えています」

 昨年11月、日本協会は朴と'20年東京五輪までの契約延長を発表した。リオ五輪で銅メダル1個に終わった韓国からもオファーがあったが、朴は断腸の思いで日本に残ることを決意したのだ。

 その理由は、朴に対して日本協会がリオ五輪の前から契約延長を申し出ていたのに加え、'04年のヘッドコーチ就任時からつねに後ろ盾となってくれていた関根義雄・日本バドミントン協会副会長への恩義の念が強かった。母国への思いは当然強い。しかし、朴はそれよりも仁義を通した。

 選手時代は五輪と世界選手権の個人タイトルをほぼ総なめにした。指導者としては、選手時代に経験できなかった男子の国別対抗戦・トマス杯で優勝を飾り、リオ五輪では女子ダブルス金メダル獲得と、新たな喜びを手にしている。

「今後の目標は、日本でまだ実現していない世界選手権での金メダル。そして東京五輪では複数の金メダルですね。今度はリオ五輪以上の練習メニューを準備しますよ」

 厳しい練習の先に最高の結果がある。情熱的な目の奥にチラチラと炎が揺れた。

(Number923号『東京へ 朴柱奉「東京でも金メダルを」から』)

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