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2000本目は絶不調の真っ最中だった。
青木宣親「諦めることだけはない」

posted2017/06/14 08:00

 
2000本目は絶不調の真っ最中だった。青木宣親「諦めることだけはない」<Number Web> photograph by AFLO

メジャー6年目の青木。日米通算1678試合での2000本安打達成はイチローに次ぐ速さだった。

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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AFLO

 アストロズの本拠地ミニッツメイド・パークは、内外野が天然芝の開閉式ドームである。屋根が閉まると、やたら天井の高い体育館のような雰囲気になる。

 5月23日の昼下がり、まだ誰もいない外野の観客席の前を、紺色のTシャツとオレンジ色の派手な半パンツの選手が軽快に走っていた。全体練習が始まるのは午後4時。それまでまだ1時間はあった。

「どっかで見た感じ」

 そう、他人事のように言う青木宣親。顔は笑っている。

 今から約10カ月前、彼はカリフォルニア州フレズノという田舎町にいた。あの時も彼は、ライトからレフトへ、レフトからライトへと走り続けていた。マイナー落ちの屈辱から脱するため、打撃の調子を取り戻すためだった。

 あれから約10カ月、青木はマイナーにこそ落ちていないが、実は今季最大のスランプの真っ最中だった。

一時は打率が3割5分を超え絶好調だったが……。

 開幕から20試合を過ぎた時点での青木の打率.354、出塁率.396、長打率.458という成績は過去最高だった。統計サイト「Fangraphs.com」では同時点でのライナー率が昨季の17.2%から22.7%へ上昇し、弱い打球を放つ率が23.8%から17.8%へ減少。対照的に強い打球と中間スピードの打球を放つ率の合計が、76.1%から82.2%へと上昇していた。

 ところが5月に入ると、強い打球がフェアゾーンに飛ぶことが極端に減少。ライナー率は前出の22.7%から15.3%と過去ワーストに落ち込み、弱い打球を放つ率も17.8%から23.1%と例年と変わらぬ数字に戻ってしまった。

 開幕前は通算1965安打。残り35本。2カ月ぐらいで到達か、と我々日本の報道陣はタカを括っていた。4月は打率3割ちょうどの18安打(60打数)で、5月中の達成は確実と思われた。

 ところが5月に入ると、内野も外野もこなしながら本塁打を量産するスーパー控え選手マーウィン・ゴンザレスや、A.J.ヒンチ監督から「ようやく身体能力に野球能力が追い付いてきた」と評される若手のジェイク・マリズニクが打撃の調子を上げてきた。

 お陰で5月の最初の2週間は出場と欠場を繰り返すような状況になり、すっかり調子を崩して11安打(52打数)に留まった。

【次ページ】 傍目にわかる程、構えがころころ変わった。

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