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“360°の臨場感”を楽しむ!
「VR」という新たなスポーツ体験。

posted2017/06/02 11:00

 
“360°の臨場感”を楽しむ!「VR」という新たなスポーツ体験。<Number Web> photograph by Shutterstock

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「走る」「打つ」「蹴る」「掴む」「飛ぶ」「極める」――。

 アスリートたちが繰り出す奇跡的ともいえるプレーの瞬間に感動し声援を送るのは、私たちがすべてのスポーツを楽しむ上での醍醐味である。

 次に起こる奇跡の瞬間を求めて、私たちはまた“スポーツの現場”へと実際(リアル)に足を運ぶ。

 誰でも一度くらいは多くの観客が詰め掛けた競技場やスタジアムを訪れた経験があるだろう。そこには私たちが日常では感じ得ない臨場感がある。

 いくつか特徴的な現場を紹介したい。

 かつて新庄剛志や青木宣親も所属したMLBサンフランシスコ・ジャイアンツが本拠地とする「AT&Tパーク」。本塁から左翼までが約103.3mであるのに対し、右翼までが約94.2mと極端に短い左右非対称型のボールパークだ。

 右翼側の場外はサンフランシスコ湾の入り江になっていることから、あのバリー・ボンズがメジャーリーグ新記録のシーズン73本塁打を記録した2001年にその記念のホームランボールを多くの船が待ち構える映像を覚えている人もいるかもしれない。サンフランシスコの観客たちは、ほぼシンメトリーの球場しかない日本のプロ野球ファンとは違う高揚感を味わっているに違いない。

10万人の観戦者たちを熱狂させるスタジアムの熱。

 熱狂的な観客を多く動員するという点では、サッカー専用スタジアムのスペイン・バルセロナの「カンプ・ノウ」が挙げられる。FCバルセロナのホームとして知られるが、1999年のUEFAチャンピオンズリーグ決勝で、マンチェスター・ユナイテッドが後半のロスタイムで逆転し、バイエルン・ミュンヘンを破った「カンプ・ノウの奇跡」の現場である。

 ほぼ10万人を飲み込むこの欧州最大のスタジアムは、2014年から全面改築が進められているが、2021年の完成予定時には10万5000人規模の屋根付スタジアムへと変わる。そもそもこのスタジアム、スタンドの1階以外はどの角度からもピッチ全体が見渡せるように設計されており、UEFAが認める“5つ星スタジアム”であるのだが、いまから60年も前から存在していることに驚くと同時に、当初から1試合で約10万人の観戦者たちを同時に熱狂させてきたことを思うと人とスタジアムの生み出す“熱”の歴史を感じずにはいられない。

 日本国内に目をやれば、その雄大な大地に突如現れるロケーションに圧倒されるのが「札幌ドーム」だ。昨年の北海道日本ハムファイターズが日本シリーズ進出を決めたクライマックスシリーズのファイナルステージ第5戦。対福岡ソフトバンクホークス戦で大谷翔平が球界最速の165km/hを投じた球場であると同時に、J1・北海道コンサドーレ札幌のホームスタジアムでもある。

 熱狂するそのドームの内側とは対照的に、周辺には「少年よ、大志を抱け」の言葉で知られる北海道開拓の祖・クラーク氏の像で知られる「さっぽろ羊ヶ丘展望台」があり、札幌市街や石狩平野が見渡せる。ちなみにサッカーと野球のファンを両方熱くさせるこのドームスタジアムの敷地約30万m²は、つい20年前までは農林水産省の農業試験場、つまりただの畑だった。

 感動の瞬間や胸を打つシーンを目撃できるのはそれらの現場であり、できればすべてを体感したいと思うのだがほぼ不可能だ。

【次ページ】 目を見張る「モバイルVR」の進化。

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