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「スポーツベンチャーのトキワ荘を!」
為末大が池田純に熱弁した起業家の夢。

posted2017/05/11 19:00

 
「スポーツベンチャーのトキワ荘を!」為末大が池田純に熱弁した起業家の夢。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

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Kiichi Matsumoto

「スポーツベンチャー・トキワ荘を作りたかった」

 現在経営する会社をスタートさせた際の発想をこう説明する為末大氏が、Number Sports Business College(NSBC)」第2回目の講師だ。

 引退後、セカンドキャリアを模索した数年を経て、たどり着いた答えが「とにかくスポーツベンチャーが立ち上がらないといけない」ということ。選手のセカンドキャリアの問題を解決するためにも、スポーツ界から新しい産業を作りだそうという考え方だ。やがて競技用の義足開発会社サイボーグを自ら設立。さらに同様なスポーツベンチャーが生まれてくるような土壌を作ろうと奮闘している。

 発起人である池田純氏との対話から、そんな為末氏のキャリアが詳しく紹介されると、続けて受講者からの活発な質問が飛んだ。例えば「日本のスポーツベンチャーの課題」について。

受講者「アメリカでは、デレク・ジーターがマーリンズ買収に動いたのに加えて、NBAスターのステフィン・カリーがスタートアップを設立したり、テクノロジー系企業に出資したりと、プロアスリートがスポーツビジネスに関わるケースが増えてきている印象です。為末さんが実際にスポーツベンチャーに関わるなかで、こうしたことが日本でも起こっていくための課題はどこにあると感じていますか?」

スポーツベンチャーを育てる空気や文化を。

為末「日本のスポーツベンチャーに出口はあるのか、というのは重要な問いになる気がします。出口があるからこそスタートアップに投資するので、そこがはっきりしていれば、もっともっとスポーツベンチャーにお金が集まるんじゃないかと思うんです。今はまだちょっとスポーツベンチャーに疑問視があるんですね。それはみんなで頑張ってやっていきましょうっていう段階かと思います。

 個人的に思うのは、選手たちの年金のほんの一部だけでも、自分たちのスポーツでなにかサービスを担いそうなスタートアップへ流れていくような構図があってもいいんじゃないかということです。例えば、Jリーグに(プロ野球のような)年金があるのかわからないですけど、あるとしたら一部をスタートアップのアクセラレーターみたいなものに投資をして育てていく。あるいは、興味を持った選手が自分の肖像権を使って応援するとか。

 そうやってスポーツベンチャーをみんなで育てて行こうよという空気、文化が生まれてくるということが大きいと思う。僕もずっとそうだったんですけど、自分の肖像権は大きな会社に渡してフローでもらうという観念しかなかったんです。でもこれからは、自分の肖像権を渡すということとストックオプションをもらうというような関係がもっと生まれていくべきじゃないかと思います。

 さらに新しいこと、例えば自分の心拍数のデータを渡すから、そうしたデータを扱いたいスタートアップからストックオプションをもらうとか。そんなことをやるだけでもすごいことが起こるんじゃないですかね。そういう機運がどう高まるかが重要だと思います」

【次ページ】 LAドジャースが作った数百億円の巨大ファンド。

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