「もう自分をルーキーだとか思っていませんから」

　U-20W杯は彼にとっては初めての世界大会である。もちろんこの大会でも日本を背負うという重責はあるが、その重みは今回選ばれた選手全員と共有しつつ、溌剌としたプレーを見せて欲しい。そうすることが彼にとってだけでなく、U-20代表としても、ひいては新潟にとってもプラスになる。

「もう自分をルーキーだとか思っていませんから」

　この言葉は原輝綺には適さない。むしろ「ルーキーだからこそ、初めてだからこそ、必死になってこの苦境を乗り切りたい」となるように。

　U-20W杯で一回り逞しくなってから、新監督が決まっているであろう新潟に再合流した時――。彼が目にする景色は、きっと大きな変化があり、さらに強くなった自分に気付けるはずだ。