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ロッテのチーム打率が衝撃の1割台。
戦後最低をひた走る歴史的な貧打線。 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2017/05/09 07:30

ロッテのチーム打率が衝撃の1割台。戦後最低をひた走る歴史的な貧打線。<Number Web> photograph by Kyodo News

不振に陥った主力が1人ならまだ手の打ちようがある。しかし打率1割台以下がスタメンに約半数並ぶこともあるのが、ロッテの現状だ。

統一球導入の'12年、月間1割台をマークしたのは?

 実は、21世紀以降、月間チーム打率(試合数が少ない10月をのぞく)が1割台だった例はもう1つある。2012年の横浜DeNAベイスターズの3、4月(707打数136安打 打率.192)だ。

 この年は統一球導入の2年目で、前年に続いて投高打低にふれた年だったが、DeNAのチーム打率はその中でも極端に悪かった。

 しかし5月以降のチーム打率は.241(3933打数947安打)、最終的にはリーグ最下位だったものの、打率.233まで持ち直している。そういう意味では、ロッテの貧打はそれほど心配する必要はない。間違いなく上がっていくだろう。

 しかし、2012年のDeNAのリーグ順位は6位。相対的に打線が弱いチームが、今後勝ち星を積み重ねる可能性もそれほど高くないのだ。

 千葉ロッテは昨年、サブローが引退。福浦和也、井口資仁などのベテランが衰え、チームリーダーだった今江敏晃(現:年晶)も楽天に移籍、世代交代の時期にある。リーダー不在のエアポケットに入ったような状態と言える。早くその空白を埋めないと、シーズンが終わってしまう。元気のいい打者が出てこないといけないのだ。

 それでも「運」は、ロッテ打線に転がるはずだ。今後のリベンジに期待しよう。

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