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10年前の恩義を福良監督に返す時。
小谷野栄一が乗り越えた引退危機。 

text by

米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph byKyodo News

posted2017/05/02 08:00

10年前の恩義を福良監督に返す時。小谷野栄一が乗り越えた引退危機。<Number Web> photograph by Kyodo News

4月27日の試合ではチームをサヨナラ勝ちに導く内野安打を放った小谷野。勝利のために見せるしぶとい打撃には味がある。

「絶対勝てる!」を1年間積み重ねていけば……。

 そう、噛みしめるように言った。そこに今年は手応えを感じ始めている。

「変わってきていると思います。約20年も優勝できていないチームなので、負け癖というか諦め癖というか、そういうのは絶対あったと思う。でも今はもうみんなが、リードされていても『いや絶対勝てる!』という思いで最後まで諦めない。

それをずっと1年間継続して、それがまた1年1年どんどん積み重なったら、このチームがやっと常勝チームになるんだろうなと思う。今年はその始まりの1年、みたいな感じだと思うんですよ」

 どん底の苦しみも優勝の喜びも知るベテランが、今、変わりつつあるチームの中心にいる。

 “松坂世代の野手で今年唯一スタメンをはっている男”小谷野栄一。実は、同じ土地の出身者として小学生時代から松坂と戦ってきた1人でもある。そんな小谷野の記事がNumber926号「2017年の松坂世代」に掲載されている。「NPB現役選手ギャラリー『ずっと追いかけて~小谷野栄一』」はすべての野球ファン、必読です!
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