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エディーから日本ラグビーへ提言。
「他者から学び、自ら解決せよ」 

text by

竹鼻智

竹鼻智Satoshi Takehana

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photograph byTomoki Momozono

posted2017/05/09 08:00

エディーから日本ラグビーへ提言。「他者から学び、自ら解決せよ」<Number Web> photograph by Tomoki Momozono

現在はラグビーの母国イングランド代表の再建に尽力するエディー。今もなおジャパンへの愛情は強い。

エディーが「良くなった」と称賛した5人の選手。

――敗戦チームでありながら、アマナキ・レレイ・マフィがマン・オブ・ザ・マッチを受賞した。

「昨年(2015年)のW杯でもご存知のように、マフィは素晴らしい選手。ケガに悩まされた時期もありましたが、この秋のテストシリーズを見る限り、フィットネスも上がっているようですし、調子も良さそうですね。昨年のW杯の時よりも、さらにいい選手になっているように見えます。この日は、攻守共に素晴らしいワークレートを見せたと思います」

――その他に、これまでの3試合で目についた選手は。

「田中史朗も試合を重ねるごとに良くなっていました。アルゼンチン戦では動きが遅いように見えましたが、2戦目、3戦目とキレが出てきてますし、バネのあるステップを切っていましたね。田村優と立川理道も、相変わらず安定したパフォーマンスを発揮しています。非常に自信を持ってプレーしている。この2人はすでに一人前のテストラグビープレーヤーですし、この先もチームの中心選手としていいプレーをしてくれると思います。松島幸太朗は、ボールを持った時の走りは素晴らしいものがあります。フットワークとスピードは一級品ですし、彼の走りはチームにとって大きな武器になります。ただ、ディフェンス時のプレーの選択には、まだまだ改善の余地があります」

もしエディー率いるイングランドと戦ったら……。

――一方で今回のテストシリーズでは、W杯でキャプテンを務めたリーチマイケル、そして小野晃征、五郎丸歩などの選手が不参加。彼らがいればチーム全体のパフォーマンスも違っていたか。

「彼らは私があらためて言うまでもなく、非常に優秀な選手たちです。このレベルの選手は、チーム全体のパフォーマンス、試合結果に違いを生み出すことができます」

――現在のメンバーで、ジャパンがイングランドと戦ったら?

「何点差になるかは分かりませんが、現実として、我々のイングランドは世界ランク2位で、ジャパンはトップ10にも入っていない。大きな差があるのは、間違いありません」

【次ページ】 他のスポーツから学べることは非常に多いのです。

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エディー・ジョーンズ

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