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ゴールが欲しい時に外されて……。
岡崎慎司がCLで飲み込めなかった事。 

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寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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posted2017/04/21 07:00

ゴールが欲しい時に外されて……。岡崎慎司がCLで飲み込めなかった事。<Number Web> photograph by AFLO

テレビのCMでも、岡崎慎司は初めて出場するCLへの高揚感をあらわにしていた。初めての喪失感の中で、今何を思うのか。

「味方を生かすとかの評価はおなかいっぱい」

 1stレグでの45分間、岡崎はほとんどミスがなかった。ただ、たった一度あったシュートチャンスをのぞいては――。チームにとって必要な選手ではあるが、ゲーム状況を大きく変える起爆剤としては評価されていない。

「味方を生かすとか、守備で頑張るとか、そういうプレーの評価はもうおなかいっぱいというところがある。そういう評価は結局、勝っているから得られるもの。その評価だけだと、チームが負ければ、僕のプレーの良し悪しにかかわらず代えられてしまうから」

 1stレグではDFラインが押し込まれてしまい、岡崎のプレスはほとんど効果を発揮できなかった。そして、勝敗の行方は岡崎の力だけでどうにかできるものばかりではない。自身の起用について、ある種チームメイトに委ねなければならない現実。勝利を決定づけるゴールを決められない自分の力不足への苛立ちとともに、まわりに活かされなければ輝けないというジレンマが、やるせない想いを岡崎に抱かせる。

「戦術的な交代だからしょうがない」、「チームのために」というふうに気持ちを整理することもできるだろうし、そうすることで前へ進めるときもあるだろう。しかし負ければ終わりのCLで感じた屈辱は、納得できなくても切り替えなければ次がすぐにやってくるリーグ戦とは違うのだろう。初めてのCLを戦い終えた直後、31歳の岡崎は、現実を素直に受け入れることを拒否しているように見えた。

「CLのためにヨーロッパへ来たわけではないけど」

 欧州でプレーするサッカー選手なら誰もが夢見るCLの決勝トーナメントは、彼に新たな欲をもたらした。ドイツとイングランド以外の相手、しかも各国トップチームとの対戦は、彼に自信と、成長へのきっかけとなる刺激を与えてくれた。

「いままでCLとは縁がなかったし、ちょっと羨ましいなと思うくらいだった。僕はCLにでるために、ヨーロッパへ来たわけではないので。だけど、実際にその舞台に立ってみて、決勝トーナメントでセビージャに勝って、夢がずっと続いていた。プレミアリーグ以外のチームと対戦して自分に何ができて、何ができないのかを試せた。ベスト4へ行きたかったし、これが続いてほしかった。勝ちあがって、また別なものを見たいと。その成果はこれからの僕次第だと思う。次に出られたら、自分がどれだけ成長したかを実感できると思うから。また出たいですね」

 そう語る口調もそれほど弾んだものではなかった。結局は“悔しさ”に戻る。

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