FWがここまで無得点なのも気になる事実。

　今年、移籍してきた大森は徐々にチームに慣れてきているようだが、ダイレクトやワンツーで連係して崩していくシーンがまだ少ない。昨年、神戸の攻撃はレアンドロとペドロ ジュニオールという個の技術とスピードに依存していたので、その名残があるのかもしれない。しかし、レアンドロが不在の今だからこそ選手間のコンビネーションを高め、点の取り方を考えないと、強豪チームから点を取ることは難しい。

　また、6試合でFWが1点も取れていないのも気掛かりだ。FWが点を取るとチームはノッていける。首位の神戸に、どこか“危うさ”を感じてしまうのは守の比重が非常に大きく、「攻守」の歯車がまだ噛み合っていないからだ。

　それでも、岩波は心配ないという表情でこう言った。

「今は前線の選手が点が取れていないですけど、そこにネガティブな印象はないです。うしろが耐えてセットプレーで1点取れば勝てるんで、割り切って我慢してやりたい。いずれ点を取ってくれると信じているので」

点を取り始めるのは田中順也か、大槻周平か。

　藤田もそれほどナーバスになっていない。「レアンドロの代わりのプレーができるような選手はいないけど、今試合に出ている選手は守備の部分で2度追いとかハードワークしてくれる。うちは守備がベースなのでそこが大事ですし、今いるメンバーで最善の戦いができていると思います」

　渡邉千真は点こそ取れていないが、大宮戦では自らの動き出しからゴールが生まれているし、1度調子をつかむと大量得点につながるタイプ。また、さいわいなことに中盤の中坂勇哉ら若手が点を取って活躍し、結果もついてきている。

　とはいえ、長い目でみればやはりFWのゴールが必要だ。いち早く覚醒するのは渡邉か、それとも田中順也か大槻周平だろうか。

【次ページ】　連敗しない、というのは優勝にとって極めて重要。