「今あるものを出す。自分のゴルフがどこまでできるか」

　とはいえ、誰と回り、フェアウエイで何ヤード置いていかれようとも、今の谷原がそこに熱くなることはなく、飛距離競争にまどわされることもない。自分のゴルフができるようになった今の谷原は、ジョンソンと回ろうと、マキロイと回ろうと、それは大した問題ではない。

「相手を意識していてもしょうがない。今あるものを出せるように。自分のゴルフがどこまでできるかの勝負になってくる」

　自分のゴルフを貫いてオーガスタへの切符を瀬戸際で掴み取った谷原だからこそ、彼が今、彼のゴルフで戦おうとしている今年のマスターズがとても楽しみでたまらない。