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新風が巻き起こったセンバツ応援。
甲子園に響いた「アゲアゲホイホイ」。 

text by

梅津有希子

梅津有希子Yukiko Umetsu

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photograph byYukiko Umetsu

posted2017/04/05 11:10

新風が巻き起こったセンバツ応援。甲子園に響いた「アゲアゲホイホイ」。<Number Web> photograph by Yukiko Umetsu

もはや高校生自身は知らない時代の楽曲『ドリフの早口ことば』『キン肉マン』『プロジェクトA』が鳴り響いた創志学園のスタンド。写真中央、サングラスをかけている男性が環太平洋大学マーチング部・中家監督である。

毎回、最新ヒットソングを取り入れてくる大阪桐蔭。

 優勝した大阪桐蔭は、毎回新曲をいち早く取り入れることでも知られているが、今回も『前前前世』(RADWIMPS)、『恋』(星野源)、『モアナと伝説の海』の主題歌など、最新のヒット曲がズラリと並んだ。

 そんな最新ヒットソングに混じって、なかでも圧巻だったのが古典である『ウィリアム・テル序曲』だ。

 得点時など、トランペットの高らかなファンファーレに続いて軽快なメロディが鳴り響き、競馬や運動会を思い浮かべる人も多かったのではないだろうか。

昔の応援といえば三三七拍子だったけど……。

 高校野球の応援は、同じような曲を演奏する学校も多い中、今大会では、各校が応援曲やスタイルに工夫を凝らしているように感じられた。

 創立130年以上の伝統を誇る静岡高校アルプスでクラリネットを吹いていた69歳の吹奏楽部OBは、「我々が高校生の頃は、三三七拍子の応援が中心で、バリエーションも2パターンくらいしかなかった。昔に比べると、応援スタイルが変わったなんてもんじゃないねぇ(笑)。今の応援は華やかで曲数も多く、ついていくのが大変だよ」と、うれしそうに母校を応援していた。

 急激に変わりゆく、ブラバン応援での選曲や掛け声、応援スタイル――今センバツは、明らかにアルプススタンドに新風が吹いていた。

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