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田中将大、オープン戦で圧巻の数字。
3年連続開幕投手で本来の凄みを。 

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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posted2017/04/02 07:00

田中将大、オープン戦で圧巻の数字。3年連続開幕投手で本来の凄みを。<Number Web> photograph by AFLO

初めて開幕投手を務めた2015年は4回5失点で黒星。昨年は5回途中2失点で勝敗付かず。開幕初勝利を目指す。

早いカウントでは打たせて、追い込めば三振を狙う。

 最初の2イニングを全員三振に仕留めた後の3回、田中は遊直、三ゴロ、遊ゴロとすべて2球ずつで片づけて見せた。

 早いカウントでは打たせて取る。追い込めば三振もアウトを取るための選択肢に入る。そんなピッチングのセオリーはプロの投手なら誰でも身についているはずだが、それを安定して遂行できる投手はそう多くない。

 だからこそ投手の成績に優劣が生まれ、メジャーリーグでも先発ローテーションの1、2番手の投手、あるいは最初の3人の投手と4、5番手の投手は分け隔てて考えられている。

24の内野ゴロ、22奪三振、被打率.098という数字。

 田中は今年のオープン戦で、自分が前者であることを証明し続けた。彼がオープン戦最初の5試合で対戦した計65人の打者のうち、7割以上に該当する46人もの打者が内野ゴロ(24)か三振(22)に打ち取られている。ついでに書いておくと、被打率わずか.098、WHIP(1イニングあたりの走者数)も0.48だ。走者を出す確率は極めて低い。

 つまり田中は「かなり高い確率でアウトを連続して取れる投手」なのだ。今さらながら、彼が今年のキャンプ初日、米国のメディアを前に口にした目標が思い出される。

「1試合でも多く、(登板試合数が)32、33、34になるか分からないですけど、1年間通してローテーションを守って、1イニングでも多く、1つでも多くアウトを取りたいと思っている」

 先発投手がよく口にする目標を聞いた時、こう思った。

 メジャーリーグはまだ、本当の田中将大を見ていないのではないか? と。

【次ページ】 ヤンキースのエースの矜恃を胸に年間通じた活躍を。

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田中将大
ニューヨーク・ヤンキース

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