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プレミア恒例の監督解任ラッシュ。
3月以降の交代、降格回避率は?

posted2017/03/28 11:30

 
プレミア恒例の監督解任ラッシュ。3月以降の交代、降格回避率は?<Number Web> photograph by Getty Images

岡崎のスタメン復帰で流れを取り戻したシェイクスピア体制のレスター。監督交代がカンフル剤となった典型的な例だ。

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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 3月後半の国際マッチウィークが明ければ、今季のプレミアも9節を残すのみ。生死をかけた残留争いの渦中では、手遅れになる前にと、監督交代が相次いでいる。

 3月16日、19位に落ちていた昇格1年目のミドルズブラを追われたアイトール・カランカは、後半戦3人目の犠牲者となった。順位が気になり始めるクリスマス前から数えれば、過去3カ月間で5人の監督が首を切られたことになる。切られる側も切る側も避けたいが、毎年のように到来する。それが、この“監督解任ラッシュアワー”だ。

数字で見れば、監督交代は得策と言えないが……。

 改善を求める声はある。今季に入ってから解説者のガリー・ネビルが「シーズン中の解任を禁止する考え方に大賛成だ」と『スカイスポーツ』のポッドキャストで述べていた。同僚のジェイミー・キャラガーも、3年前の12月に同じことを言っていた。

 2014-15シーズンは、珍しく開幕から監督解雇を見ることなくクリスマスが訪れようとしていた。「このまま行って欲しい」と願いつつも、キャラガーは「雇用を決めた経営者ではなく、雇われた側の監督がなぜ責任を取らされるのか?」と指摘した意見には頷ける部分もあった。

 当時は、監督を守る立場にあるリーグ監督協会が、「交代がもたらす効果は大したものではなく、新監督との“ハネムーン”も12試合程度が限界」と、経営陣に短期視野での監督人事を改めるよう呼び掛けていた。

 確かに数字で見れば、シーズン中の監督交代は得策と言えるものではない。過去5年間を振り返っても、後半戦で解雇に踏み切った計13クラブのうち6クラブが2部へと降格した。前半戦のうちに解雇に踏み切った例を含めれば計22クラブで、後任監督のうち13人が1年未満で任地を去っている。2度の監督交代にもかかわらず最下位で降格した、昨季のアストンビラが最たる例だ。

【次ページ】 主力入れ替えよりも、監督の挿げ替えの方が簡単。

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