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長野から、なでしこのエースへ――。
進化し続けるストライカー・横山久美。 

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松原渓

松原渓Kei Matsubara

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photograph byKei Matsubara

posted2017/03/25 11:30

長野から、なでしこのエースへ――。進化し続けるストライカー・横山久美。<Number Web> photograph by Kei Matsubara

地方都市・長野から全国の女子サッカーの人気を支え続けているパルセイロと横山。その派手なサッカーは本田監督の戦略に裏打ちされている。

17歳の時に一躍有名になった「6人抜きゴール」。

 横山の存在が知られるようになったきっかけは、17歳で参加した2010年U-17女子ワールドカップの「6人抜きゴール」だ。

 準決勝の北朝鮮戦で決めたその決勝ゴールは、メッシらと並んで、その年のFIFA年間最優秀ゴール賞にノミネートされた。

 その後、2012年に岡山湯郷ベル(現2部)でなでしこリーグデビューを果たすも、目に見える結果を残すことはできず、'14年にはチャレンジリーグ(当時2部)の長野Lに移籍。すると、2年連続で30ゴール以上を決めて1部昇格の原動力になった。

 そして、3年目となった昨シーズン、横山は長野Lチーム史上初のプロ選手契約を締結。その期待に応えるように、18試合で16ゴールを決め、1部昇格1年目のチームの年間3位に大きく貢献した。

プロ契約後、筋力・走力トレーニングを一気に増やした。

 1年間の最も大きな変化は、一昨年までの課題であった運動量の乏しさを克服し、90分間、ゲームに関われるようになったことだ。

「この1年間は特に『走り』に力を入れてきました」(横山)

 プロ契約でサッカーに集中できるようになった昨年からは、午前中に筋力トレーニングを行い、午後は練習前の1時間を走りのトレーニングに費やしてきた。

 その効果はほどなくして現れ、昨シーズンはリーグ全試合にフル出場。終盤戦は長野Lの得点源である横山にマークが集中した結果、アシストや守備面で貢献するなど、運動量アップの相乗効果も見られた。

 そして、その好影響は代表でのプレーにも現れ、アルガルベカップではスーパーサブから脱却し、レギュラーを任されるFWになった。

【次ページ】 いたずらっ子のような笑顔と、勉強家の一面と。

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