スペインサッカー、美学と不条理BACK NUMBER
俊輔、清武、乾より大フィーバー。
地元が待ちわびた柴崎岳デビュー戦。
text by
工藤拓Taku Kudo
photograph byAFLO
posted2017/03/21 11:40
鹿島で1年目からつけた愛着のある背番号20とともに、スペインのピッチに立った柴崎岳。彼の欧州挑戦はここから始まる。
必要なのは即戦力だとすれば……。
残り12試合となった今季のリーグ戦で求められるのは、計算できる即戦力である。その中で新加入の柴崎がチームに貢献する展開としては、2つの状況が考えられる。
1つはリードしている時に2トップの1人を削ってトップ下に柴崎を投入し、中盤を厚くしたポゼッション重視のゲームコントロールで逃げ切りを図る場合。もう1つはこの日のように、ゴールが必要な状況でボランチを1枚削り、そこに柴崎を加えて攻撃の質を高める場合だ。
前者のような起用法であれば、デビュー戦のようなプレーでも及第点をつけることはできるだろう。だが後者の場合、当然ながら求められるのはゴールに直結するプレーである。
デビューに至るまで2カ月近くを要した柴崎にとって、今後は1試合、1分1秒たりとも無駄にできる時間はない。
次節は勝ち点4差で3位につけるカディスとの上位対決。まずは1週間の練習でしっかりアピールした上で、出番があれば目に見える結果を積極的に狙ってもらいたい。