スペインサッカー、美学と不条理BACK NUMBER

俊輔、清武、乾より大フィーバー。
地元が待ちわびた柴崎岳デビュー戦。 

text by

工藤拓

工藤拓Taku Kudo

PROFILE

photograph byAFLO

posted2017/03/21 11:40

俊輔、清武、乾より大フィーバー。地元が待ちわびた柴崎岳デビュー戦。<Number Web> photograph by AFLO

鹿島で1年目からつけた愛着のある背番号20とともに、スペインのピッチに立った柴崎岳。彼の欧州挑戦はここから始まる。

俊輔、乾、清武の時を超える現地のフィーバー。

 しかし、テネリフェの人々はそんな「GAKU」のプレーが見られるようになるのを、心待ちにしていたようだ。

 後半開始の少し前、タッチライン脇のウォーミングアップゾーンに日本人MFが姿を現すと、スタンドから温かな拍手が沸き起こった。

 さらに後半29分の登場時には、本拠地エリオドロ・ロドリゲス・ロペスがこの日一番の大歓声に包まれた。その後もしばらくは背番号20がボールに触れるたびに拍手が繰り返された。

 柴崎本人だけではない。我々日本の記者陣も、町を歩けば「ガク! ガク!」と呼びかけられ、写真撮影をせがまれた。スタジアムではラジオや地元紙の取材に引っ張りだこだった。

 過去にエスパニョールの中村俊輔やマジョルカの家長昭博、エイバルの乾貴士、セビージャの清武弘嗣らを取材してきたが、彼らの入団当初ですら、ここまで現地で日本人フィーバーが盛り上がることはなかったと記憶している。

半年契約で、プレーオフ争いというシビアな状況。

 十分すぎるほど肌で感じられた地元民の期待感はしかし、今後柴崎がピッチ上で納得のいくプレーを見せられなかった際、厳しい批判に一変する危険性も孕んでいる。

 初めてベンチ入りした前節ヘタフェ戦に続き、途中交代でデビューを果たした今節までは1つ1つ段階を経ることができた。だが今後柴崎がテネリフェの戦力として定着するためには、限られた出場時間の中で早急に結果を出す必要がある。

 ましてやチームは3~6位の昇格プレーオフ枠を争っている真っ最中。半年契約を結んだ日本人MFの適応を進めるために時間や交代枠を費やしている余裕などない。

【次ページ】 必要なのは即戦力だとすれば……。

BACK 1 2 3 NEXT
2/3ページ
関連キーワード
柴崎岳
テネリフェ

ページトップ