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クラシック戦線で名門復権なるか。
サトノアレスが背負う社台の看板。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byKyodo News

posted2017/03/18 08:00

クラシック戦線で名門復権なるか。サトノアレスが背負う社台の看板。<Number Web> photograph by Kyodo News

朝日杯FSで2歳王者となったサトノアレス。年明け以降も順調な調教を積み、春の大舞台へと準備を進めている。

社台ファームの生産馬2頭がクラシックの主役に。

 このサトノアレスも、2歳女王のソウルスターリングも藤沢厩舎の管理馬として話題になっているが、ともに社台ファームの生産馬でもある。生産者のリーディング争いに目を向けると、元は同じ旧社台ファームだったノーザンファームが6年連続で王座につき、社台ファームは6年連続2位に甘んじている。しかも、ここ数年、ノーザンは社台との差を少しずつひろげ、昨年のJRAにおける獲得賞金は社台の2倍ほどになっている。

 ノーザンファームの生産馬が昨年のダービー出走馬18頭中10頭を占め、マカヒキ、サトノダイヤモンドの1-2で決着したことは記憶に新しい。

 そんな状況を打破すべく、名門・社台ファームが意地を見せている。今年の3歳は、同牧場で冬期の夜間放牧をやめた最初の世代なのだが、ノーザンファームでは、今も冬期の夜間放牧を実施している。ほかにもさまざまな手段を講じているのだろうが、思い切った施策変更の効果を、これら2頭の走りが示しているのかもしれない。

 夜間も放牧地に出しておくと、ずっと厩のなかに入れておくより歩き回るので馬が丈夫になるし、人手もかからない。米国ケンタッキーなどで行われているこの方法を、10年ほど前、新冠のノースヒルズが導入したのを皮切りに、北海道の牧場でも実施するようになった。

 だが、最近になって、「冬期だけは舎飼いにしたほうがいいのではないか」という声も出てきて今に至る、というわけだ。

 このテーマに関しては、機会があれば稿を改めて見ていきたいと思う。

 ウオッカやダイワスカーレットの再来が輝いてくれてもいいし、強い牡馬が意地を見せてくれてもいい。とにかく、熱いクラシックに期待したい。

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サトノアレス
ソウルスターリング

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