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「東京パラリンピックでは金メダルを取ります」
パラアーチェリー上山友裕、2020年への決意。 

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photograph bySportsPressJP/AFLO

posted2017/03/31 11:30

「東京パラリンピックでは金メダルを取ります」 パラアーチェリー上山友裕、2020年への決意。<Number Web> photograph by SportsPressJP/AFLO

平日フルタイムの仕事と競技を並行する難しさ。

「2013年の世界選手権が全然駄目だったんです。当時は別の会社に勤めていたので、月曜から金曜まで仕事があって、思うように練習に時間が割けませんでした。平日しっかり練習できないから、土日はちゃんとやらなきゃって練習場でシャカリキになって。あー疲れたって思ったらまた月曜日が始まる。その繰り返しで、もう試合の前にクタクタになってました」

 自身のコンディションを万全にする。

 試合に臨むアスリートにとって当然とも言えることすらままならない。もっと練習に集中できる環境はないか。現状を打破するために上山が探し求め、辿りついた道が「アスナビ」だった。「アスナビ」とは日本オリンピック委員会が行っているアスリートの支援事業のことで、企業とオリンピック・パラリンピックを目指す選手たちを就職という形で上手く結びつけるためのものだ。

練習時間、経済的な安定を手に入れたことで余裕が。

 このシステムを活用し、上山が三菱電機への就職を決めたのは2014年の春。

 制度のおかげで技術的にも精神的にも成長できたと胸を張る。

取材対応など広報活動の仕事の他、普段は三菱電機の伊丹製作所で人事部関連の仕事を受け持つ。

「今は平日のうち週2日が勤務日で残りは練習にあてられています。単純に練習量が増えたのはもちろん、1本1本の射ち込みに対する集中力も高まりました。大学の時よりもレベルが上の練習が出来ています。あとは経済的な安定ですね。制度を使わずに働いていたころは、収入の多くが海外への遠征費などでなくなっていましたが、三菱電機に入社してからはそういう心配もなくなった。真っ直ぐ競技に向き合えるようになりました」

 充実の練習を重ねた日々は大きな飛躍をもたらした。

 2015年4月にアメリカで行われた「AAEアリゾナカップ(パラ部門)」では準決勝、決勝と世界ランキング10位以内の相手に勝利。自身初となる世界大会の制覇を成し遂げた。

 その勢いのまま臨んだ翌年のリオパラリンピックでも7位入賞。

 しかし、上山から出てきた言葉は満足とは真逆のものだった。

「僕に勝った選手が優勝したからじゃないですけど、正直波に乗り切っていたら優勝できたんじゃないかって思うんです。勝負を分けた最後のポイントも虫眼鏡で審判が確認しないと判断できないほどだったし。やれることはやったので後悔はしていないですけど、完全に負けたとは思っていない」

【次ページ】 僕は金メダル獲りますって言い続けるつもりです。

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