FIFAマスターでも、女子サッカーの難しさを再認識。

　とはいえ、ここまで約半年間学ぶ中で、女子サッカーは「軽く触れるくらい」なのだという。男子のサッカーとのビジネス規模の違いを筆頭に、女子サッカーの難しさを感じるばかりだそうだ。

「例えばマネジメントとかマーケティングで、女子サッカーのファンを増やすことはできる。でも、それには限界もある。じゃあ男子サッカーみたいになるのはどうしたらいいかっていうと、競技そのもののレベルアップも必要だなと。

　マネジメントを学んで思うのは、日本がドイツワールドカップで金、ロンドン五輪で銀っていう時に、そのチャンスを活かしきれなかったということです。でも、これからまだまだチャンスはあるし、何より東京五輪もありますしね。とはいえ、そういうイベントの成績で左右されないサスティナブルなものを作らないといけないんですが」

ステップを踏まずに突然W杯で優勝した日本の女子。

　当然、日本でも女子サッカーをビジネスとして成立させられると思っている。

「もちろん簡単じゃないし、長い目で見ていく必要がありますよね。リーダーシップの授業の期間にやったんですけど、どういう風に文化として根付かせるかを考えると、日本はワールドカップ優勝まで、あまりステップを踏まずに到達してしまった。だから、女子サッカーをどういう風に位置付けるか、女子サッカーの価値をどうしたいのかがはっきりしていないんです。でも、そこからやり直していけばと思います。時間もかかるけれど、ちゃんとやってけば、日本でもできるんじゃないかと思ってるんです」

　女子サッカーの発展も、そして自身の社会人としての第一歩も、決して簡単ではないことは承知している。

「今ここで学んでることをそのままぽんって生かせるわけじゃないけれど、ベースを知ってるということは大きいと思うし、サッカーが当たり前に根付いてるヨーロッパで1年間勉強できたのは、大きいと思うんですよね」

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