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“Mr.アルビレックス”本間勲の帰還。
新潟の土地柄、美徳そのものな男。 

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大中祐二

大中祐二Yuji Onaka

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photograph byYuji Onaka

posted2017/02/24 16:30

“Mr.アルビレックス”本間勲の帰還。新潟の土地柄、美徳そのものな男。<Number Web> photograph by Yuji Onaka

復帰発表の際に本間は「アルビレックス新潟に関わる人達に会える日が待ち遠しいです」とのコメントを残した。そのクラブ愛は、サポーター誰もが知る。

出番を失った頃、現監督から送られたメッセージ。

 今年、2年半ぶりに新潟に戻ってきた“ミスター”は、この4月で36歳になる。チーム最年長だ。今シーズンからチームを率いるのは、三浦文丈監督である。'13年からの2年間はコーチとして柳下監督を支え、遠征メンバー外となった選手の居残り練習も担当した。'14年シーズンは、そのメンバーに本間が含まれることもしばしばだった。

 本間はある練習試合のことを、よく覚えている。

「トレーニングゲームで指揮を執るのはヤンツーさん(柳下監督)ではなく、フミさんでした。その試合は前半から、なかなか思うようにプレッシャーを掛けられなかったんです。だから前線のボールの追いかけ方を、少し自分がやりやすいように修正したんですよ。すると試合後、ヤンツーさんに『勲、ああいうボールの取り方を、チームとして練習からしてるか?』と言われて。確かにな、自分ももっと練習しなきゃな、と思いました。

 で、その翌日、フミさんに言われたんですよ。『ヤンツーさんの言う通り、チームとしてやることをしっかりやるのは大事だよね。ただ、サッカーのやり方は1つだけじゃない。勲のやり方もありだと個人的に思うよ』って。それで、気持ちがスッと楽になりました」

徳島に0-6で大敗した直後、指揮官と話し込む姿が。

 球際で厳しく戦い、ボールを奪ったら素早く攻める。当時の柳下監督と、今シーズンの三浦監督が目指すサッカーには共通する部分が多い。同時に、そのサッカーを実現させるためのアプローチの違いが、あの日のトレーニングゲームには垣間見られた。

 あれから約3年。再び本間と三浦監督の対話が始まった。

 台湾での1次キャンプ最終日、本間は今シーズンの副キャプテンに任命された。高知キャンプ最終日、非公開で行われた徳島ヴォルティスとのトレーニングゲームは、0-6で大敗した。試合が終わり、メディアがこもっていた控室から出てみると、ピッチ上で三浦監督と長く話し込む本間の姿があった。

【次ページ】 若手ボランチに対しても、気兼ねなく言葉をかける。

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