気になるのは、やっぱり抑え。

――本番でもベンチからサインを？

「必要なら出すかもしれません。でももう1つ、キャッチャーにはこっちを見るくらいの余裕がないといかんよ、という意味もあるんですよ。ピッチャーにしか気がいかないようだと、キャッチャーの資格はないって。こっち見て『うるせーな、バカ！　スライダーっていうなら、こっちはシュート投げたるわ』ってそれぐらいのつもりでやらなきゃいかんってことですよ（笑）。それぐらいの視野と決断力がないと。それはそれとして今度は本番までに練習試合が5、6試合あるし、相手のビデオも見ることができる。各投手の特長をしっかり見極めて、起用を含めて様々な最終判断はしていこうと思っています」

――気になるのは？

「やっぱり抑えかな。これはコーチを受けた時点で、コーチの話そのものが（プレミア12の準決勝の韓国戦の9回に）3点差をひっくり返されて、それで僕のところに話がきたようなものですもん」

球数制限を考えれば、菅野が先発以外で投げることも？

――ローテーションはどうお考えですか？

「当てはまるのは菅野と則本ですけど、ムリはさせません。そこは私に任せてください。どっちにしろ先発と言っても65球（2次ラウンドは80球）なんだから、この2人だってしゃにむに先発で行く必要はないんですよ。だから2番手か3番手くらいでいって欲しいくらいなんです。ありきたりのことでやっていたら、誰がやっても同じですから。どうせなら現場にいるヤツにしかわからん、という案を出さないといけないと思って考えている。そこのところは私に任せてくださいということですね」

――もちろん最終目標は世界一奪回ですが、まずは2次ラウンドを突破して、準決勝を行う米国に行くことが最初の目標になりますね。

「いやいや。今はまずは第1ラウンドを突破することしか考えていないです。そのためにも徹底するのは、『お前たちは戦うんだ』ってことですよ。だから簡単にストライクを取りにだけはいくな。それさえやっておけば打たれやせん、ってことですね。それだけのいい選手を選んでいるんです。ピッチャーもバッターもね。ただグラウンドに出たら、マウンドに上がった後は、私は何もできません。そうやって送り出すだけ。あとは選手が、一か八かやるだけです。“Go for it!”それだけです」