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「オフサイド廃止案」は奇抜すぎ?
本気でそのサッカーを想像してみた。

posted2017/02/09 11:00

 
「オフサイド廃止案」は奇抜すぎ?本気でそのサッカーを想像してみた。<Number Web> photograph by AFLO

1985年のトヨタ杯、プラティニは芸術的ボレーをオフサイド判定で取り消されると、芝生に寝転んで抗議した。廃止となれば、こんなシーンも消えるだろう。

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北條聡

北條聡Satoshi Hojo

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 それは「変えていい」ものか、それとも「変えてはまずい」ものか――。

 オフサイド・ルールのことだ。先月、FIFA(国際サッカー連盟)の技術委員を務めるマルコ・ファンバステン氏(元オランダ代表)の『オフサイド廃止案』が複数のメディアで報じられ、物議を醸している。もちろん、ファンバステン氏は「これでサッカーが魅力的なものになる」と自信たっぷりだ。この大胆なアイディアはどこから来たのか。ファンバステン氏の言い分はこうだ。

「現代のサッカーは9人から10人で守るハンドボールのようだ。小さなスペースで何かを創造するのは極めて難しく、ゴールを決めるのも大変だ。そこでオフサイドをなくせば、より多くのゴールが生まれる可能性は高まるだろう」

トータルフットボールとオフサイド・トラップ。

 実際にゴールの数が増えるかどうかはともかく、攻撃側の使えるスペースが大きくなるのは確かだろう。最終ラインを押し上げて、相手を狭いスペースに追い込み、激しく圧力をかける守備の戦法もオフサイドを前提に成り立っている。

 そもそも、ファンバステン氏の祖国であるオランダが1970年代にサッカーの歴史を書き換えたトータルフットボールの革命もオフサイドと無縁ではない。相手に集団で襲いかかる「ボール狩り」は、大胆な「オフサイド・トラップ」とセットだった。

 それでも「裏一発」で相手に抜け出されるリスクはあるのだ。オフサイドが廃止されたら、怖くて最終ラインは上げにくい。そもそも守備ラインを「フラット」にそろえる意味もなくなる。

【次ページ】 ペナルティーエリア内での籠城戦が続出する可能性。

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