Sports Graphic Number WebBACK NUMBER

世界最高峰の「アメリカズカップ」が
日本のエンジンを選んだ2つの理由。

posted2017/02/15 11:00

 

text by

Number編集部

Number編集部Sports Graphic Number

PROFILE

photograph by

ORACLE TEAM USA

 歴史的レースの観客数は約1万4000人。海上には320艇以上のプレジャーボートが集結した。

 昨年11月、アジア圏で初めて開催された世界最高峰のヨットレース「ルイ・ヴィトン・アメリカズカップ・ワールドシリーズ福岡大会」は、予想を大きく上まわる人々がレースの行方を見守った。

 高さ25メートル超で重量は約6トン。巨大な“モンスター艇”がスタートラインに並ぶ。アメリカ、イギリス、ニュージーランド、スウェーデン、フランス、日本の6艇だ。

 やがてハルと呼ばれる船体を二つ繋げた独特のフォルムのカタマラン(双胴船)が、博多湾に吹き込む風を受け、各チームがにわかに飛び上がるかのように浮き上がった瞬間、観客からはどよめきにも似た大きな歓声があがった。

 1851年、英国で開催された第1回万国博覧会の記念行事が発祥で、世界最古のトロフィースポーツである「アメリカズカップ」。

 その名は最初の優勝艇『アメリカ号』に由来し、現在は優勝杯の名称をも指す。

 参加各国の威信をかけた戦いが繰り広げられるそのレースのはじまりは、近代オリンピック、サッカー・ワールドカップ、全英オープンゴルフよりも古い。ちなみに当時の日本は江戸時代で鎖国の真っ只中。あのペリー率いる黒船も、まだ浦賀沖にやって来ていないという時代である。

【次ページ】 時速70kmを優に超えるスピードで爆走。

<< BACK 1 2 3 NEXT >>
1/4ページ

ページトップ