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八重樫東から井上尚弥へのエール。
「今やったらロマゴンに勝てる」 

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posted2017/01/31 07:00

八重樫東から井上尚弥へのエール。「今やったらロマゴンに勝てる」<Number Web> photograph by AFLO

ロマゴンと壮絶な死闘を繰り広げた八重樫。「尚弥なら勝てる」の言葉には重みがある。

「おいしいところは尚弥が……」(大橋会長)

 話題が一段落した頃、それまで自席でデスクワークをしていた大橋秀行会長が補足してくれた。

「ロマゴンとの試合を終えた直後、リング上での八重樫の第一声が『尚弥なら勝てますよ』だったよな。こっちは『大丈夫か』って聞いてるのに、こんなときに何を言ってるんだって(笑)」

 そこからしばし、取材陣も交えた雑談。

大橋会長「ところで、これはどういう取材なんだっけ?」

――「ロマゴンに挑んだ男たち」というテーマで、対戦経験のある日本人ボクサー全員に話を聞いています。

大橋会長「おお、格好いいね。で、尚弥のインタビューもあるんでしょ?」

――あります。

大橋会長「なるほど、おいしいところは尚弥が持っていくってわけだ」

八重樫「その流れはだいぶわかってきました(苦笑)。もう、脇役でいかに目立てるかですから」

昨年末の中継では八重樫が“視聴率No.1男”だった。

 そんなことを言う八重樫だが、実力もさることながらボクサーとしての人気は国内随一を誇る。昨年末の中継「ボクシングフェス2016~井上尚弥・八重樫東ダブル世界戦&村田諒太世界前哨戦~」(フジテレビ系)では、番組内の瞬間最高視聴率が八重樫の試合の最終ラウンドだったとか。

 八重樫はこの試合で、挑戦者サマートレック・ゴーキャットジムを12回TKOで下して2度目の防衛を果たしている。

 八重樫人気の理由の一端が垣間見えるエピソードを、これもまた大橋会長が教えてくれた。

【次ページ】 温厚で謙虚、しかし闘争心は常に持ち続ける男。

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