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カナダで圧勝したパトリック・チャン。
9度目のタイトルで歴史に名を刻む。

posted2017/01/27 15:00

 
カナダで圧勝したパトリック・チャン。9度目のタイトルで歴史に名を刻む。<Number Web> photograph by AFLO

再び貫録を見せつけたチャン。今もなおスケーターとして成長を遂げていることを証明した。

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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 1月16日から22日までカナダのオタワで開催されていたカナダ選手権では、パトリック・チャンが予想通りタイトルを守り、ケヴィン・レイノルズが2位、ナム・グエンが3位という結果となった。

チャンが歴史的、9度目の戴冠へ。

 2008年に初めてタイトルを手にしたチャンは、それ以降競技を休んでいた2015年を除いた毎年この大会で優勝し続け、今回で何と9回目のカナダタイトルである。

 カナダの男子は、これまで多くの世界チャンピオン、世界メダリストを輩出してきた。だが国内で9回タイトルをとった選手は、チャンがまだ2人目である。

 現在コーチとして羽生結弦、ハビエル・フェルナンデスらを指導するブライアン・オーサーはカナダ選手権優勝8回、カート・ブラウニングが4回と意外に少なく、エルビス・ストイコが7回だった。

 カナダフィギュアスケート史上で唯一チャンとタイの記録を持つのが、1929年から1939年の間に9回優勝したモンテゴメリー・ウィルソンである。

「80年以上前で、(チャンの最初のコーチだった)コールソン先生が現役で活躍していた時代のこと。歴史上のこのスポーツのパイオニアたちとつながりを持てたなんて、信じられない思いです」とチャンは会見でコメントした。

4サルコウをついにものにしたチャン。

 SPでは4回転トウループ、3アクセルとも着氷が乱れたが、フリーでは4+3トウループ、3アクセル、そして4サルコウと前半のジャンプをみごとに決めた。後半に予定していた二度目の4トウループが3回転になった以外、ほぼ完璧な演技だった。

 チャンは今シーズン初めて試合で4サルコウに挑戦し、成功したのはGPファイナルに次いで二度目である。

【次ページ】 「ソチでピークが来たと思っていたが……」

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