打者を詰まらせる速球を何球も投げていた。

　大事なのは彼が今、あきらめることなく、再び白球を握り、打者を相手に投げているという事実である。我々は「松坂大輔を絶対にあきらめちゃダメ」なのだ。

　右肩の不安は「ゼロかと言えばそうではない」と言うものの、このままコンディションが上り続ければ球速も自然と上がる。事実、20日の冬季リーグ3戦目、「3試合の中では一番良かった」という4シーム・ファストボール（速球）に打者が差し込まれ、詰まった当たりを連発しての4回6安打2失点。28日の冬季リーグ最終登板では7回3安打1失点と確実に内容が良くなっている。

「不安なく投げられるというのが一番。あとは日本に帰った時に日本のボールにアジャストする必要がある」

　松坂大輔は今、より完成された投手になるため、確かな一歩を刻み続けている真っ最中なのだと思う。