「勝つしかない」という覚悟を世代交代へ繋げる。

　ただ勝つためだけではない。

　勝てる体制を整えることで、次へのステップの足がかりを作る。近い将来の世代交代に舵を切るためにも、何が何でも補強をしなければならなかった。

　だからこそ補強は中途半端ではなく、徹底的にやる必要があった。

　その結果の30億円であるとするなら、決してそれはムダ遣いでもなかったはずだし、チームとファンに希望をつなぐ投資だったのである。

　戦力は整った。

「勝つことがすべて。そのためにいまある戦力をどう動かして戦っていくか。それしかないと思っています」

　だから高橋監督も、いまは勝つことしか眼中にない。

　シーズンを勝つことでしか、巨人は未来へとつながる次のステップに進むことはできない。そのことを分かっているからだ。