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原口元気は空回りせず、熱く闘う。
「ゾーン」をつかみつつある充実。 

text by

ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byAFLO

posted2016/12/18 11:00

原口元気は空回りせず、熱く闘う。「ゾーン」をつかみつつある充実。<Number Web> photograph by AFLO

屈強なマーカーに挟み込まれても、臆せずに最善のプレーを。原口は精神面の重要性を胸に、自らの価値をさらに高めようとしている。

レアルやバイエルンの選手は常に安定している。

「もちろん、サウジ戦のような気持ちを出すほうが難しいよね。グワッと盛り上がっていくような流れは、試合が多ければ、多いほど、失われていくものだと思うし……。俺は上に行きたくて仕方がないし、ここで結果を残したくて仕方がないんだけど、どうしてもメンタル的な疲れというのはあるから」

 現在の自分の状況を冷静に認めたうえで、原口は強い想いを口にした。

「そのなかで、どれだけ維持できるかでしょう。例えば、レアル(・マドリー)やバイエルンの選手っていうのは、(1年を通して)そこまで変わらないような気がする。技術的な、フィジカル的なレベルの高さも、もちろんあるだろうけど、メンタル的にもそうでしょう。どんな試合でも、モチベーションが落ちていないというのは……。

 あれだけ……本当にね、あれだけの成功を勝ち取ってきた選手たちが、毎試合、ものすごいモチベーションを持っている。そういうところに成功する選手の秘訣はあると思う」

 サッカー少年だった頃の原口は、スパイクを買ってもらうと、それが嬉しくて、何度もながめては磨くという作業を繰り返していたという。靴墨で磨けば磨くほどスパイクはかっこよく光るし、履き心地も良くなるからだ。

 サッカーが好きで、向上心の塊。昔からそうした資質を持ちながら努力を続けてきた原口は、サッカーを科学できる稀有な選手なのかもしれない。

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