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ドイツ3部の平均年俸は約1400万円。
平均2000万円のJ1から行く価値は? 

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遠藤孝輔

遠藤孝輔Kosuke Endo

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posted2016/12/09 07:00

ドイツ3部の平均年俸は約1400万円。平均2000万円のJ1から行く価値は?<Number Web> photograph by AFLO

現在セレッソ大阪に所属する丸岡満も、ドルトムントの下部チームでドイツ3部に参戦していた。上を目指す足がかりとしては悪くない場所だ。

J1の平均年俸が2000万円。来季以降のアップは?

 例えば、英国のウェブサイト『スポーティングインテリジェンス』が11月に発表した「GLOBAL SPORTS SALARIES SURVEY 2016」によれば、J1リーグ選手の平均年俸は2000万円ほど。

 ツヴァイテリーガもJ1も異なるカラーを持った魅力あるコンペティションに違いないが、こと待遇面に関しては小さくない開きがある。先頃、来季の各クラブに分配される放映権料が倍増になると発表されたものの、どれだけ選手の報酬アップに結び付くかは不透明だ。

 さて、現在のフットボール界で最高の高給取りとなっているのはレアル・マドリーのギャレス・ベイル。推定年俸は約40億円と報じられている。

 ウェールズ代表のクリス・コールマン監督は「とんでもない額のマネーが、ベイルのモチベーションになっているわけではない」とフォローするが、高額な報酬が選手のやる気を削いでいるはずもない。

「カネのためにサッカーをやっている」という選手も。

 一方、清々しいまでにカネへのこだわりを見せていたのは、そのベイルとトッテナムで共にプレーした経験を持つDFベノワ・アスエコト(現メス)だ。この元カメルーン代表は2011年、英国『デイリー・メール』のインタビューにこう答えている。

「俺はカネのためにサッカーをやっている。俺たちフットボーラーのキャリアは10年くらいだからね。引退した時のためにカネを稼いでおかないと」

 プロ選手が何を目的に、何をモチベーションにしながらサッカーに打ち込んでいるかは千差万別だろう。情熱に突き動かされるままにプレーしている者も、家族を養うことを最大の活力源にしている者もいる。あるいはアスエコトのように、ビジネスと割り切っているプレーヤーも少なくないはずだ。サッカー選手が人々に夢を与える職業とはいえ、それぞれのスタンスや考え方を否定する権利は誰にもない。

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ドリッテリーガ
丸岡満

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