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ジェラード引退、次の夢は監督業。
リバプール帰還への修業期間を。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2016/12/04 11:00

ジェラード引退、次の夢は監督業。リバプール帰還への修業期間を。<Number Web> photograph by Getty Images

数々のスーパーミドルでアンフィールドを沸かせたジェラード。MLSでは下部組織の指導を兼任するなど、帝王学を着々と学んでいる。

クロップは「騒ぎ立てないこと」と忠告するが……。

 LAギャラクシーではU-18チームの指導にも関与することができた。本格的な指導者としての道も、第一歩はリバプールまたはイングランド代表のユースチームの線が濃厚だ。それが妥当でもある。

 古巣の下部組織では、選手としての自分を育てた恩師とも言えるスティーブ・ハイウェイが、コンサルタントの立場でコーチとしての成長を眺めていてくれる。代表では、4年契約を結んだガレス・サウスゲート監督が、自身が務めていたU-21代表監督にU-18レベルからエイディー・ブースロイドを昇格させる意向とされ、その後釜が必要になる。

「指導者としてのスタートを騒ぎ立てないことだ」と、メディアに忠告したのは現リバプール監督のユルゲン・クロップ。引退発表直後だったジェラードに関する質問が相次いだことによる苛立ちもあったが、既に着手しているUEFA認定Aライセンス取得を地道に進めながらの正式な第一歩には、1軍と比べて閉じられた世界であるユースでの下積みが最適だ。

ペップのような“監督修行”の形こそ理想的。

 監督としての独り立ちはリバプールが舞台となれば美しい。しかし、実際には他クラブからのステップアップこそが理想的かもしれない。ユース出身の元中心選手が監督としても巣立ったサクセスストーリーと言えば、今季からマンチェスター・シティを率いるペップ・グアルディオラの印象が強烈だ。

 ただし、監督としてもバルセロナBから1軍に昇格してはいても、グアルディオラは現役キャリア終盤の5年間をイタリア、カタール、そしてメキシコで過ごして見識を深め、特に最後のメキシコでは「監督見習い」も同然の現役生活だったとされる。おまけにバルセロナBでの監督経験は、スペイン下部リーグでの監督経験を意味する。

【次ページ】 あえて監督就任を急がなかった姿勢も、納得できる。

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