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“WBC準決勝に進めるのか”の声も。
小久保監督の少数精鋭策は妥当か? 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byNaoya Sanuki

posted2016/12/02 11:30

“WBC準決勝に進めるのか”の声も。小久保監督の少数精鋭策は妥当か?<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

大谷に対して二刀流で挑ませるのか以外にも、小久保監督が思慮すべき案件は数多い。

小久保監督の戦力構想は、あくまで少数精鋭。

 現時点ではまだ詳細な大会のレギュレーションそのものが正式に発表されていないが、過去の経緯から考えると1月中旬に60人ほどの選手登録を行い、そこから大会直前の2月下旬に最終メンバーとなる28人を登録することになるのが有力だ。

 今回はさらに予備投手を10人登録して、大会期間中の入れ替えが行えることになるという情報もある。そうなれば米本土での準決勝以降にメジャー所属の日本人投手を招集できる可能性も出てくる。

 要は少なくとも28人プラスアルファが戦力計算できるということになる。

 ところが小久保裕紀監督は、あくまで少数精鋭を貫く構えなのである。

「12月に発表するメンバーが基本的な最終メンバー。(多めにメンバーを発表して絞り込みを行う)考えはありません」

 11月の強化合宿後に小久保監督は、改めてこう語った。

 侍ジャパンのスケジュールを見ると12月中旬には候補メンバーを発表。そこで基本的には代表の28人を固めて、2月23日から宮崎で最終合宿を行うが、その合宿にも予備メンバーは招集しない考えを明らかにしている。

過去の最終合宿ではメンバー外となる選手が発生。

 ただ、そうなると最終合宿の目的は、過去2大会(第1回大会は最終合宿は行わなかった)とは全く違うものになる。

 実は2009年の第2回大会の最終合宿では大会の選手登録数より多めに35選手を招集。また13年の第3回大会でも同じように合宿には33選手を呼んで、そこから篩(ふるい)にかけて最終の28人を決めてきた。

 この方式には選手からは不満の声があったのも確かだ。特に最終合宿でメンバーから外れた選手は、オフの間もWBCを目的に調整を続けてきて、最後の最後に落とされる屈辱とショックは大きいかもしれない。

【次ページ】 候補選手はハイピッチで体を作り上げるが……。

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