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社員選手からプロになって5カ月。
辻直人が語るBリーグのワクワク感。

posted2016/11/09 10:30

 
社員選手からプロになって5カ月。辻直人が語るBリーグのワクワク感。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

川崎ブレイブサンダースは、B1リーグ中地区の首位を走っている。

text by

辻直人

辻直人Naoto Tsuji

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Kiichi Matsumoto

 Bリーグはシーズン60試合を戦う。昨季もNBLのレギュラーシーズンは54試合とハードだったけれど、よりタフさが求められるようになった。さらに、オフシーズンやリーグの合間に代表の遠征や試合も組み込まれて、今はピーキングの難しさを痛感している。

 '14-'15シーズンは、社会人3年目だった。その前のシーズンは54試合全てにスターターとして出場し、プレーオフ・ファイナルでは3戦すべてで20得点以上を記録した。チームは優勝して、自分もプレーオフMVPを獲得できたけれど、このシーズンは見えないところで見えない疲れが蓄積していた。

 普段なら吹き出物ができる体質ではないのに肌が荒れ、疲れているわけではないのに動きも重い。何をしてもうまくいかず、シュートも全然入ってくれなかった。ピーキングの難しさと大切さ、メンタルコントロールの重要性を感じた出来事だった。

 社会人とプロで5シーズン目となり、そういった部分もかなり改善されてきているが、やっぱりまだまだプレーもメンタルもムラが出てしまう。常に良いパフォーマンスを出し続けるためには、やり続けていくしかないのだが……。

田臥さんのセルフコントロールはすごい。

 そう考えると、リンク栃木ブレックスの田臥(勇太)さんはやっぱりすごい。チームは別なので継続して見ているわけではないけれど、代表の合宿や遠征で見る限り、やはり1人だけ違う。試合で素晴らしいスタッツを残す選手はたくさんいるけれど、田臥さんはそれだけじゃない。

 僕もバスケットは大好きだけど、それでもムラが出てしまったり、疲れがプレーに影響してしまう。自分を押し殺すというのとも少し違うのだけど、田臥さんを見ていると、自分にはやはり、そういったセルフコントロールが不足していることに気付かされる。今でも、ムラがあってあまりよくないプレーが出てしまったときに、田臥さんのことをふっと思い出す。

【次ページ】 最初からプロという選択肢があっても選べなかった。

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