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広島が石原慶幸の力で奪った2勝。
短期決戦の要は、捕手の「対応力」。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNaoya Sanuki
posted2016/10/24 16:30
捕手としての能力が石原慶幸は極めて高い。打率2割でも緒方監督が使いたくなる理由がそこにはあるのだ。
緒方監督も、石原を名指しで激賞。
日本シリーズは捕手の対決だとも言われる。
レギュラーシーズンと異なり、短期決戦は1戦、1戦で状況が刻々と変わり、それに合わせてデータの修正を行い、的確に運用していくことで捕手の対応能力が試される戦いでもあるからだ。
「(野村)祐輔が本当にいいピッチングをしてくれて、その後に投げたピッチャーもしっかり投げてくれた。何よりそのピッチャーの力を引き出した石原のリード。素晴らしいバッテリーです」
連勝のマツダスタジアム。真っ赤に染まったスタンドの中で勝利監督インタビューを受けた緒方孝市監督は、こう力強く語った。
シーズン中はこの石原と會澤翼との併用で乗り切ってきた広島。打力の會澤、守りの石原と言われた2人だったが、クライマックスシリーズからは石原がほとんどマスクを被って投手陣を引っ張ってきている。
捕手の力で奪った2勝でもあった。