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タイがいつの間にかゴルフ強豪国に!?
“タイ通”塚田好宣が指摘する2要因。 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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posted2016/10/20 08:00

タイがいつの間にかゴルフ強豪国に!?“タイ通”塚田好宣が指摘する2要因。<Number Web> photograph by AFLO

タイ人として初めて米メジャー優勝を果たしたアリヤ・ジュタヌガン。世界ランク最高2位の押しも押されもせぬトップゴルファーだ。

日本で成績を残す前に、海外へ行っちゃえばいい。

「だから僕は常々、日本はそのうち負けると言っている」――。

 塚田は後輩プロたちの置かれている現状を嘆き、日本ゴルフの将来を憂いている。しかしながら、その若手たちが仮にいまある環境を嘆くばかりであるならば、彼の前ではどこかナンセンスに響くだろう。

 海外を渡り歩いてきた経験から、塚田は国内選手の“気質”を口にした。

「日本人の選手の中には、『日本ツアーである程度成績を残してからでないと、海外に行っても仕方がない』という考えがあるような気がするんですよね。そんなの関係ないと思うんですよ。チャプチャイ・ニラトっていう選手はね、日本のQTに来て『寒すぎる!』って言って帰っちゃったんだけど、そのあと欧州ツアーで優勝(2007年)しちゃった。いつか海外に行きたいと思っているなら、行っちゃえばいいんですよ! いずれ、じゃなくて。むしろ、行った方が芽が出る選手もいるんじゃないかなあ」

 彼の頭にある地球の規模は、多くの人々が描くよりずっと小さい。日本でシードを失って迎えた今シーズン、塚田は下部ツアーで賞金王争いを演じて、来季のレギュラーツアー出場権を確定させた。

 同い年の丸山や藤田には優勝回数や賞金額といった面では、どうも敵いそうもない。だが、いまある夢は「彼らよりも長く、誰よりも長くツアーでプレーすること」。タイに、アジアに、旅に魅せられた男の精神の瑞々しさは、いまも健在。海の向こうには、人をタフにする無形の財産がまだまだ残っていそうである。

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塚田好宣
アリヤ・ジュタヌガン

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