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日本の司令塔候補・大島僚太に聞く。
磨いた技術は「柔」、心の中は「剛」。 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

PROFILE

photograph byKiichi Matsumoto

posted2016/10/02 11:00

日本の司令塔候補・大島僚太に聞く。磨いた技術は「柔」、心の中は「剛」。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

クラブ公式サイトで憧れの選手を「デコとピルロ」と挙げている大島。中盤のコンダクターとしての飛躍を誓う。

目標を立てておけば、結果的につながっていく。

――味方と相手を一瞬で把握できる状況判断や目のスピードというのも風間監督が強調しているところ。フロンターレでの積み重ねが、今の自分をつくりだしているのだ、と。

「今年、僕は『代表に入る。試合に出る』という目標を立てました。でもそのために何をするかまでは書いてないんです。何かほかにやることを意識して、元を怠ったらダメだと僕は思っているので。だからまず日々の練習を120%でやり切ること。それでもまだ余力があるなら走ることとか筋トレとかプラスアルファをやれればいいという感じなんです。目標を立てておけば、結果的につながっていくんじゃないかなという思いでした。中学、高校のときの教えで僕のなかで『やった』とか『やり切った』とか日々、達成感というものはないんです。ずっと淡々とやっていくっていう感じなんですかね。でもそれが自分にとっては普通のことなんです」

憲剛さん、嘉人さん、悠さんのような存在になる。

 リオ五輪で活躍しようとも、A代表に入ろうとも、大島は立ち止まることなく、歩みを進めようとしている。それも成長のスピードを上げて。

「フロンターレの残り試合、すべて勝つために自分が活躍したいという思いは強いです。勝たせることができるような存在になりたい。憲剛さん、嘉人さん、悠さんたちに僕がそういう存在になって加われば、相手にとってもっと嫌なチームになるのかなと思うので」

 フロンターレの日常を大切にし、風間の教えを胸に中村憲剛や大久保、小林たちの背中を見つめながら自分を高めようとする。攻撃も守備も、ドリブルもパスもシュートも「全部セットで上げていきたいんです」と意気込む。

 プレーと判断力は「柔」だが、彼の意志は「剛」。

 剛よく柔を断つ、とも言う。

 柔の強みも、剛の強みも大島僚太にはある。

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