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過去最高の費用と時間をかけたU-19。
小川航基は東京五輪の主役になるか。 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph byJ.LEAGUE PHOTOS

posted2016/09/30 07:00

過去最高の費用と時間をかけたU-19。小川航基は東京五輪の主役になるか。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

桐光学園時代から世代一のストライカーとしてその名を轟かせていた小川航基。183cmという恵まれた体格も期待値を上げている。

クラブで出場機会を掴みつつある三好や堂安。

 一方、三好は川崎フロンターレで徐々に出場機会を掴み、堂安もJ3ながらコンスタントにゴールを奪うなど、個々の選手が活躍するようになった。小川は普段から彼らと連絡を取り合っているが、代表合宿で会うと、試合に出ている選手に風格を感じることがあるという。

「同世代で活躍している人を見ると、葛藤はあります。別にそんなの気にしないぐらいの気持ちでやりたいんですけど、やっぱり気になりますし、そういう部分では負けていると思います。でも、選手として自分が劣っているとは思わない。なんで自分が出れないんだという気持ちでやるように心がけています」

 試合に出られない時期が続くと、試合勘が鈍っていく恐さがある。クラブでは出場のチャンスがない分、余計に代表での練習試合を「すごく重要だ」と考えている。試合が一番自分を成長させてくれるからだ。それが練習試合での2ゴールという結果にもつながっている。

手倉森監督に言われた「U-20からA代表へ」。

 夏には、リオ五輪の練習パートナーとして貴重な経験をした。

「チームにはA代表クラスの選手がたくさんいましたし、そういう選手がどういう声掛けをして、どういうプレーをして、どういう振る舞いをしているのかを感じることができました。自分がまだ劣っているところが見えたし、逆にやれる気持ちになれたところもあります。手倉森監督からは、『U-20からA代表へと、もうひとつ前を見るように。そこを目指せ』と言われました。東京五輪が近付けば期待も感じられるでしょうし、そういう経験をしてみたいので代表に選ばれるように点を取り続けたいです」

 東京五輪を主力として戦うための前哨戦と言えるU-20W杯。出場するには、アジアの予選を勝ち抜かなければならない。U-16世代が活躍しており、2007年以来のU-20W杯出場に向けても期待は大きく膨らむ。だが、現時点では不安の方が大きい。

「このままだとまずいですね。チーム状況が悪い時、声を掛けてリーダーシップを取れる選手がいないし、まだ人に任せている部分がある。悪い状況になるのは本大会でも絶対にあると思うので、そういう時に何ができるか。それは自分の役割としてやっていきたいなと思っています」

【次ページ】 この世代も、リオ世代のように大人しい。

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