補強が止まっても即座に影響は出ないが……。

　窮地に追い込まれたアトレティコとレアルは、今後足並みそろえてスポーツ仲裁裁判所へ提訴するだろう。ただし、それぞれの胸にある思惑は別だ。

　アトレティコが狙うのは、再度のペナルティ執行一時停止。無罪を勝ち取るのが難しいならば、せめて'17年1月の移籍市場で戦力の最終調整をしてから禁止期間を迎えようという腹である。

　対してレアルは緊急案件の手続きをとり、年内に判決を下してもらうつもりでいる。こちらの主張が一部でもとおり、補強禁止が「2度の登録期」から1度に減ったら、来年の夏にはいつもどおりチームの強化に取り組むことができるからだ。

　だが、もしFIFA側の全面勝利で終わったら？　アトレティコとレアルは来季も補強なしでやっていけるのか？

　両クラブとも現時点でほぼ全ポジションに2人ずつ戦力を揃えているし、そんな事態を見越して、前者は11人、後者は6人もの選手を他クラブに貸し出している。彼らの出戻り登録は認められるので、それほど苦しむことはないと地元メディアは見ている。