世界1位を維持する大変さはもう知っている。

　ステイシーの理由は、大学のゴルフ部でアシスタントコーチを務めてることに加えて、今年結婚し「もっと自分の時間を確保したい」からだった。宮里と同い年で、今年は賞金ランク8位（8月29日現在）と、ゴルファーとして、まだまだ旬であるにもかかわらず。

――宮里さんは、また世界1位になりたいですか？

「私も、もういいです。（1位になって、それを維持するのに）どれだけ大変かというのを身をもって経験してるので。また1位になるには、前回以上のことをやらなくてはいけないけど、そのエネルギーは今の自分に無いです。良い経験だったなと思うんですけど、もともと世界1位を目指してアメリカに来たわけではないので」

「勝ちたい」という気持ちにブレはない。

――そもそも米ツアーに参戦した理由は？

「メジャーですね。全米女子オープンで勝ちたいと。中学1年生の時に世界ジュニアに出たことで『アメリカでやりたい！』って、強く思いまして」

――では、今は何を目指していますか？

「勝ちたいですよね。勝ちたいから試合に出てるので、そこはブレません。ワールドランク、賞金ランクというより“自分がどれだけゴルフと向きあって勝てるかどうか”という。じゃあ『いつ勝てるのか？』っていうと、すごく良い方向に向かってる感覚があるので、もうちょっと我慢なのかなと」

――我慢？

「調子が良いから勝てるわけではないので、このスポーツは。逆にちょっと調子が悪いぐらいの時の方がスコアが出たりして。（試合の）流れがあるし、自然を相手にしてるので、全てがかみ合うまで、忍耐強くチャレンジしたいなと思います」

【次ページ】　「戦える状態にいることが、今は楽しい」