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金本監督「超変革」への批判は妥当か。
阪神が強くなるための“近道”を探る。

posted2016/09/01 07:00

 
金本監督「超変革」への批判は妥当か。阪神が強くなるための“近道”を探る。<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

若手選手を積極起用している金本監督。在阪メディアは“待ち”の姿勢を取れるだろうか。

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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Nanae Suzuki

 甲子園大会の取材で8月6日から21日まで大阪に滞在していた。毎回、関西にきて驚かされるのは阪神タイガース一色のスポーツ紙で、とくにデイリースポーツの阪神へのこだわりはただごとではない。

 2010年のワールドカップ南アフリカ大会の初戦、カメルーン戦で本田圭佑が先制シュートを放って先勝した翌日、スポーツ紙の1面はほとんど本田の記事で占められたが、唯一、デイリースポーツは「下柳結婚――電撃!! 17歳下 松下奈緒似一般女性と――」と、大ベテラン・下柳剛の晩婚を報じていた。

 2011年の女子ワールドカップドイツ大会決勝で“なでしこジャパン”が宿敵、アメリカに勝った試合は早朝の放送ながら視聴率21.8%を記録し、スポーツ紙の1面は当然なでしこ一色になったが、デイリースポーツだけは「ブラゼルV打 3連勝で5割王手」と、阪神ネタでごり押しした。

阪神記事で紙面を埋めるネタの中で気になるものが。

 デイリースポーツをことさら特別扱いしたが、関西のスポーツ紙はほとんど阪神関連の記事が1~3、4面を占める。そんな状態だから甲子園大会期間中は阪神情報の洪水から逃れるため巨人関連記事が多く占めるスポーツ報知をしばしば買う(約2週間の滞在中2、3回買う)。

 以前、日刊スポーツの友人に「大阪の阪神記事一色はやめられないのか」と聞くと、一度試したことがあるらしく、売り上げが激減したため1日で元に戻したという。そんなこともあってほとんどのスポーツ紙は今日も阪神記事で紙面を埋めようとネタ探しに奔走しているのだが、ここからはちょっと笑えない話になる。

【次ページ】 巨人戦のスタメンは“まるで二軍”との表現。

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