錦織圭、頂への挑戦BACK NUMBER

銅メダルの次は全米オープン優勝だ!
錦織圭が今年最も勝負をかける大会へ。 

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山口奈緒美

山口奈緒美Naomi Yamaguchi

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posted2016/08/29 07:00

銅メダルの次は全米オープン優勝だ!錦織圭が今年最も勝負をかける大会へ。<Number Web> photograph by JMPA

全ての関係者に喜びをもたらした銅メダル。五輪であれATPツアーであれ、運営方針が頻繁に変わり選手やファンの気持を翻弄することだけは許されない。

「1回目の優勝は国のため、今回は自分のため」

 錦織も、将来コメンテーターをやるかどうかは別として、ざっくりと経歴を紹介されるとき、全米オープン準優勝よりもオリンピックの銅メダルが評価されるのだろうか……。

 こうした現状は、日常的にテニスに携わる人々が、それぞれの立場で、ちょっとした抵抗や挑戦や努力で“ずれ”を埋めていくことで変わるはず。それは、錦織のいる時代だからこそできることでもある。

 間もなく全米オープンが開幕する。オリンピックほどお茶の間に知れ渡ってはいない大会だろう。しかし錦織が、1年の中でも一番のピークを持っていきたいと全力を注いできた舞台でもあるのだ。

 今年2度目のウィンブルドン制覇を果たしたマレーは、「1回目の優勝は国のため、今回は自分のためのトロフィーだ」と言った。比類ない重圧を乗り越えた者の強さは今のマレーが証明している。錦織にとって、メダルと、そして新たに芽生えたという感情が今回の収穫だったなら、それを存分に生かしてほしい。今度は他の何のためでもなく、自分のために。

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