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ベスト4は全て2回戦スタートの学校。
甲子園の「クジ格差」は実力の内か。

posted2016/08/25 11:30

 
ベスト4は全て2回戦スタートの学校。甲子園の「クジ格差」は実力の内か。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

秀岳館は、2回戦スタートに加えて見事な継投で投手の負担を軽減することに成功していた。

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中村計

中村計Kei Nakamura

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Hideki Sugiyama

 今大会は、2回戦から登場したチームの独壇場だった。

 大会12日目、ベスト4をかけた準々決勝の第2試合で、鳴門(徳島)が明徳義塾(高知)に敗れた時点で、1回戦から戦った34校すべてが姿を消した。

 すでに4強入りを決めていた秀岳館と明徳義塾、そして第3試合で争う北海と聖光学院、第4試合に登場する作新学院と木更津総合の計6校は、いずれも5日目第3試合から7日目第3試合の、初戦が2回戦となるクジを引いたチームだった。

 ひと昔前までは、戦いながらどんどん強くなっていくチームをよく見かけた。つまり、試合数をアドバンテージに変えていた。

 '06年に優勝した早実や、'07年の優勝校の佐賀北は、その典型だった。初戦と決勝戦は、もはや別チームといっていいくらい逞しく成長していた。両校は、引き分け再試合も経験しているので、7試合も戦っている。引き分け試合は15回まで戦っていることを考えると、イニング数だけでいえば8試合ぶんに当たる。にもかかわらず、疲労以上に何試合も戦ったことによる充実ぶりがうかがえ、決勝でも好勝負を演じた。

 今年の決勝は作新学院、北海ともに5試合目だったが、かなり疲弊していた。あの状態でもう1試合戦わなければならないとしたら、相当しんどかったはずだ。

試合数が少ないことが有利に働いたケースも目だった。

 近年は、日本の「亜熱帯化」にともない、試合数が少ないことが何よりも有利に働くようになってきているような気がする。

 1回戦登場のチームと、2回戦登場のチームの明暗が、くっきりとわかれた試合も目立った。

 大会11日目第2試合の作新学院と花咲徳栄の3回戦は、作新学院が2試合目だったのに対し、花咲徳栄は3試合目。花咲徳栄は、2試合連続で完投していた絶対的なエース・高橋昂也を温存し、二番手投手に先発マウンドを任せた。しかし、2人の控え投手をつぎ込んだものの、序盤につかまり5失点。4回から高橋にスイッチし、そこからは1失点に抑えたが、序盤の大量失点が響き2-6で敗れた。

 もし、ともに2試合目であれば、作新学院のエース・今井達也と高橋の素晴らしい投手戦が見られたのではないかと思うと残念でならない。

【次ページ】 常総vs.秀岳館も、同じ条件で観たかった。

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