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板橋美波、飛び込みで80年ぶり入賞。
“知られざる競技”の奮闘に光を! 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byJMPA

posted2016/08/20 17:30

板橋美波、飛び込みで80年ぶり入賞。“知られざる競技”の奮闘に光を!<Number Web> photograph by JMPA

大会前には、「飛び込み界を変えたい!」と発言していた板橋。「東京五輪では金を目指します」と宣言した。

テコンドー濱田真由は金メダルを目標にしたが……。

 テコンドーの濱田真由もまた、板橋と同じ願いを心に秘めていた。昨年の世界選手権で女王となった濱田は、オリンピックでの金メダル獲得を現実的な目標として、リオに臨んだ。

「もっとこの競技を知ってもらうには、金メダルしかない」

 そんな強い思いがあったのだが、結局準々決勝で敗退し、涙を流した。

 競技の認知度を高めたい。地位を上げたい――。その一心で競技ジャンルそのものの未来を背負い、戦っている選手は、板橋や濱田だけではない。水球日本代表の選手たちもそうだったし、50km競歩で銅メダルを獲得した荒井広宙も、「もっとこの競技のことを知ってほしい」とメディアの前で語っていた。

オリンピックにたどり着いたことにこそ価値が。

 メダル獲得や入賞など、狙いどおりの結果を手にした選手がいれば、目標に届かなかった選手もいる。ただ、彼らのどこまでも真剣なまなざしや、極限の緊張感が醸し出す独特の雰囲気などは、どのレベルの選手であれ観戦者を惹きつけてやまない。そしてその魅力は、結果に依存するものではないのだ。

 何よりも、オリンピックという大舞台にたどり着いたこと自体に価値がある。世界中のアスリートと競い合い、奮闘する選手の姿は、たとえメダルに届かなくとも心を打つはずだ。

 必ずしもその活躍が大々的に伝えられずとも、驚嘆すべき覚悟と尋常ならざる思いを持って競技に臨む選手たちが大勢いる――メダリストの偉業ではなく、そんな彼らの奮闘の目撃者となれることも、オリンピックという大会の魅力の1つである。

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