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五輪本番でも荒れるドーピング問題。
金藤理絵が滲ませた“地道”の誇り。

posted2016/08/14 15:00

 
五輪本番でも荒れるドーピング問題。金藤理絵が滲ませた“地道”の誇り。<Number Web> photograph by JMPA

女子200m平泳ぎの表彰台にて。左から銀のエフィモワ、金の金藤、銅のシ・セイリン(中国)。「私たちは自分を誇りに思っていい。競技での自信を失わないでいい」とエフィモワ選手への意見を述べた金藤。

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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JMPA

 リオデジャネイロ五輪の競泳競技は、8月13日、すべての日程を終了した。

 日本勢の活躍をはじめ、マイケル・フェルプスの驚くべき復調、2つの世界記録樹立を含む4つの金メダルを獲得した19歳のケイティ・レデッキー、2000年のシドニー五輪以来16年ぶりに金メダルを獲得したアンソニー・アービンなど、海外の選手たちの活躍で、場内は連日歓声に沸いた。

 だがその裏では、異様な光景が展開されていた。メダリストを迎えてのプレスカンファレンスなどでも、連日話題になったのはドーピング問題だった。

 日本選手の中でも、8月11日に金メダルを獲得した金藤理絵などが巻き込まれた。

 表彰式のあと、銀メダルのユリア・エフィモワとともに出席したプレスカンファレンスでは、質問の大半がドーピングに関連するものだった。

 通常であれば、どのような努力の末に表彰台に上がることができたのか、メダルを手にしての心境は、といった祝福ムードに包まれたやりとりがなされる場に張りつめた空気が立ち込め、ときには険悪な質問さえ飛ぶ光景は、やはり異様としか言いようがなかった。

 しかも、それが連日のように繰り広げられたのである。

オーストラリアと中国が繰り広げた舌戦。

 発端は、大会を前に組織的なドーピングを疑われたロシア選手の参加をめぐって議論が勃発したことにある。国際オリンピック委員会が各競技団体に判断を委ね、全面的に禁止となった陸上以外でも、出場停止処分を受ける選手が続出した。

 その中には、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に不服を申し立て、開幕直前に出場を認められる選手もいた。その1人がエフィモワだった。8月7日からのレースに出場が可能となったのだ。

 いざ大会が開幕してからも、ドーピング問題が尾を引いていることは明らかだった。

 8月6日、競泳男子400m自由形で金メダルを獲得したマック・ホートン(オーストラリア)が銀メダルの孫楊(中国)を「薬物違反者だ」と名指しで非難し、孫楊が「自分はクリーンだ」と反論するなど、多くの競技にドーピング問題は影を落としていた。

 中国は謝罪を求めたが、オーストラリアはこれを拒否。両国メディアを巻き込み、舌戦が繰り広げられた。さらにはフェルプスも参戦し、ホートンへの支持を表明した。

【次ページ】 エフィモワが2つの銀メダルを獲得し、問題が拡大。

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