「水族館ならクーラーも効いてるし、癒される」

　控え選手の斎藤龍之輔は言う。

「まあ、僕らも須磨の水族館がどれほどのもんか知らないんですけど（笑）、みんなで遊びに行けるなんてことは滅多にないんで、楽しみですね」

　近畿圏の水族館と言えば海遊館が有名だが、あえて通称「スマスイ」を選ぶあたり、思わず森脇監督に「地味ですね」と聞いてしまった。

「USJなんか行くと、外歩いてるだけで疲れるでしょう。でも、水族館ならクーラーも効いてるし、気持ちも癒されるからいいんですよ」

　どこかいいところがあれば……と思案していた盛岡大付の松崎克哉部長に鳴門高校のプランを教えてあげると、「あ、確かにいいですね！」と喜ばれた。

　それにしても、今の監督たちが、香田時代の駒大苫小牧や木内監督時代の常総学院の話を聞いたらたまげるのではないか。

　規格外の記録を残した監督たちは、選手のリラックス法もまた規格外だった。